郡司直緒美です。
徳之島という島をご存じでしょうか?
鹿児島県の奄美群島に属する面積約247.76km2、人口約25000人の島です。鹿児島空港から約1時間10分のフライトで到着します。
今年の夏、この徳之島を訪れる機会がありました。とても素敵な島でしたので、2回シリーズでご紹介させていただきたいと思うのですが、日帰りで滞在時間が短かったのと、観光目的ではありませんでしたので、島の一部しか見ることができず、今回はレンタカーで空港まで戻る途中に立ち寄った島の西端にある「犬田布(いぬたぶ)岬」(地元の方は「いんたぶ」と呼ぶそうです)を中心に書かせていただきたいと思います。
「阿壇(あだん)」
まず車をとめて岬の方まで続く遊歩道を歩いていくと、道沿いにはえている木の、あざやかなオレンジ色の実が目に入ってきます。「あだん」という名の木で、果実は最初は緑色をしているのですが、熟すとオレンジ色に変わります。一見パイナップルに似ているので、食べられるのかなと思ったのですが、後で調べてみると、繊維部分がとても多く可食部が少ないので、今はあまり食べられないそうです。葉は煮て乾燥させた後、パナマ帽や細かく裂いてムシロやカゴを編む素材として使われているそうです。青い空に輝くオレンジ色が、南国の雰囲気を大いにかもしだしていました。
「戦艦大和の慰霊碑」
何も知らずに下り立った犬田布岬ですが、戦艦大和の慰霊碑がひっそりと立っていました。1945年4月7日、山口県徳山港から沖縄へ向かった戦艦大和を旗艦とした特攻艦隊10隻の内、6隻が東シナ海上で米軍機動部隊艦載機から爆撃を受け沈没。乗組員・将兵合わせ3737人が犠牲となったそうです。毎年4月には「戦艦大和を旗艦とする特攻艦隊戦没将士慰霊祭」が行われています。そんな悲惨な出来事があったなんて想像もできないくらい、真っ青で美しい海が目の前に広がっていました。
「珈琲スマイル」オーナーの奥様と。
まだ復路のフライト時間まで少し時間がありましたので、犬田布岬の入り口にあるカフェで美味しいコーヒーをいただきました。「スマイル」という屋号と、徳之島産の豆を使った島コーヒーが飲めるお店ということに惹かれて入ったのですが、残念ながら島コーヒーは豆の収量が限られているため5月から7月初旬頃までの期間限定で、今年の分は終了していました。豆は、カフェオーナーである奥様のご主人様が近くの農園で栽培しておられるそうです。
私は旅先では観光名所を訪れるよりも、その土地で暮らしておられる人々との出会いや、出会った方からその土地のことを聞くことの方が好きなので、お仕事の合間に少しお話させていただきました。奥様は約30年前に、コーヒー豆の栽培をしたいというご主人と一緒に、それぞれ宮崎と熊本から徳之島に移住されたそうです。今は徳之島にコーヒー農園は数軒ありますが、ご主人が第一人者だったそうです。言葉の壁や、天候の影響等による栽培の難しさなど、たくさんのご苦労をされながらの生活だそうですが、ご主人が大切に育てられた豆を使って、奥様が丁寧にコーヒーを抽出してお客様にお出しし、飲んだお客様が笑顔になり、その笑顔を見たご夫婦が幸せな気持ちをなると共にまた頑張って作っていこうという活力が生まれるって…なんて愛情たっぷりで素敵なことなんだろうって思いました。
当社もマリンエアコンや冷水機や福祉用具関連機器のメーカーとして、「ものづくり」の原点は同じ、すべてはみなの笑顔のために日々の営みがあるのだと、走り続けていると忘れがちになってしまうことを、「珈琲スマイル」さんのおかげでまた強く実感させていただけました。吉玉ご夫妻、ありがとうございます!
珈琲スマイル
鹿児島県大島郡伊仙町大字犬田布1642-4
tel.0997-86-8277
営業時間 10:00-18:30
定休日 火曜日
次回は徳之島で伝承されている民謡から、島の文化にふれてみたいと思います。お楽しみに♪